1Fと表して、いちえふ。一階ではありません。福島第1原子力発電所の通称です。ここで実際に働いていた竜田一人(ペンネーム)によるマンガです。第34回MANGA OPEN大賞を受賞した連載前の読み切りのみこちらで読めます。ニュースでしか見聞き出来ない部分を内部から描いていて、なかなかに興味深く、単行本を購入しました。
特に印象深かったのが第2話。いちえふ建屋内でマスクを付けてグループ作業に入った新人が頭痛になります。熱中症も心配なのでメンバー全員で休憩所に戻りました。休憩所でマスクを外すと頭痛は消えてしまいます。この日初めて建屋での作業だった新人は、放射線を極度に怖がり、放射性物質が隙間から入らないようマスクのバンドを締めすぎてしまったのです。頭痛は放射能の直接的影響ではありませんでした。そもそも、新人以外は何ともありません。そこで、ベテラン作業員が新人に訊ねるます。
「じゃあなんで俺たちは平気なんだ?」
「それは皆さん慣れてっから・・・」
「バカ野郎!!放射線に慣れなんか通用しねえ! 身体さ症状出るような高線量浴び続けでだら、俺達ゃもう死んでっぺ!」
と怒鳴りつけ、
「いいか放射線なめるな 本当に怖いなら本気で勉強しろ」
と新人を諭すのです。 これはあくまで、作家の体験に基づくフィクションですが、「本当に怖いなら本気で勉強しろ」という言葉は刺さります。自分もイメージだけで避けてしまうこと、ありますから。
作業員達は今日も作業を続けていることでしょう。彼らは「ご安全に」と挨拶を交わしているそうです。まだまだ終点が見えないけれど、それでも懸命に立ち向かっている彼らの安全を願わずにいられません。
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これとは別のマンガですが、鼻血がでちゃうのがありますね。なんでも綿密な取材に基づいたそうですが。私は去年から3度ほど、福島で開かれた大会で走ってきました。(例えばここ、936位でした。全体では7千人を超える老若男女が走ったようです)心拍数が平常より高くなるレースで、鼻血を出したランナーを見かける事はありませんでしたな 🙂