Archive for 2013年11月25日

興福寺仏頭展

上野公園で見かけたせんとくん。

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これ、「国宝興福寺仏頭展」PR活動でした。ということで、

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東京芸大美術館へ。

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仏頭は、興福寺の数ある仏像の中でも、阿修羅像についで有名でしょう。教科書にも写真が載っていました。像の一部であり、しかもかなりの損傷がありながら、国宝に指定されています。気になる仏様にお目にかかってきました。

仏頭は約1mほどの大きさです。今回はぐるりと周りをめぐって拝めます。もともとは薬師如来像だったわけですから、かなりの大きさだったはずです。ところが火災で焼け落ち、その際に後頭部に傷を負いました。思わず顔を背けたくなるほど生々しい爪痕で、衝撃が想像できます。それにも係わらずお顔は美しいまま残ったというのが、奇跡のようです。

奇跡はまだあります。昭和初期に仏頭が発見されたという事です。火災後に新しく作られた本尊像の台座内に仏頭が納められ、その存在は何世紀も忘れ去られていたのです。そもそも、別のお寺の薬師如来像であったのに、興福寺にやってきたというのも、この仏様の数奇な運命を物語っています。

本来の薬師如来をお守りするために、鎌倉時代に作られた木造十二神将立像も同じフロアに展示されています。室町時代の火災で運び出され、離ればなれになってしまって以来、600年の時を経てまた一緒に並べられたとの事。興福寺でも別にされているようです。これら13体のいずれも国宝が広いフロアに配置されていまして、じっくり鑑賞できました。仏頭の”柔”、神将の”剛”と、実に見応えがありました。

 

印象派を超えて―点描の画家たち

国立新美術館にて、「印象派を超えて―点描の画家たち」が開催されています。

点描は印象派の描いた光をより明るく描くためにとられた手法で、展覧会場にもその手法についての説明がありましたが、難しいことはさておきます。

まずは点描前の印象派です。モネとシスレーを取り上げていました。シスレーの風景が私は大好きです。明るい緑と青空や水辺に光溢れる作品。心が洗われるようです。今回も素敵な作品が来ていました。

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この印象派の光をより強く描こうとしたのが、スーラとシニャックです。何点かの絵画とともに、デッサンの展示がありました。特徴がよく分かると思います。

こちらはスーラによるコンテの作品。カタログより。

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そして、シニャックのチョークを用いた作品です。

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一般的なデッサンとは違って、線がほとんど目につきません。そんなスーラの絵画です。印象派とは雰囲気が違いますね。色は点で表現されているのですが、特に手前の手すりは色々な色が使われているのにも係わらず、全体としてみると茶系に見えています。

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でも今回の展覧会で強く印象に残ったのは、ゴッホです。「レストランの内部」という作品は、こういっては何ですが、上手い訳ではないのです。ですが、言いようのない凄さがにじみ出てくるのです。

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この他に数点ゴッホがありましたが、デッサンもやっぱりゴッホなところが、なかなか面白かったです。

モンドリアンにも驚かされました。

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こんな風景画を描いていた方が、

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砂丘をこんな感じに描き、そして、ついに農場の風景がこんな風になりました。

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しまいには、ここまで行きました。

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いやはや、奥が深いですね。でも、会場で作品を見ていると、何となくですが、ここに行き着く流れの一端を感じられました。なかなかユニークで面白い展覧会でした。