Archive for 2012年11月29日

最近買ったCD

何を血迷ったか・・・。買ってしまいました。

発売される度にCDを買ってた時期もありました。

そんな頃の、もうどうでも良い記憶が曲と共に蘇ったりします。主に気恥ずかしさですね。

昔のLive映像の入ったDVDもなかなか楽しめました。ユーミンも頑張っていたんだなぁと。

年末も近づき、何かと振り返る事が多くなるこの時期にピッタリかもしれません。

『自殺者1万人を救う戦い』

ヨーロッパハウス。ここに駐日欧州連合(EU)代表部があります。いわゆるEU本体の大使館的なところですね。場所としてはフランス大使館とドイツ大使館の間にあります。

こちらの経済担当官レネ・ダイグナンさんが、ドキュメンタリー映画を撮影されました。足かけ3年を費やした作品『自殺者1万人を救う戦い』。ヨーロッパハウスで開かれた上映会に行ってきました。それにしても寒い夜でした。

毎年3万人もの方が自殺しています。一方、交通事故の死者は1万人を切るようになってきました。交通戦争とも言われた時期もありましたが、様々なところで問題として取り上げられ、啓蒙活動や対策が取られてきたからでしょう。交通事故が減ったように、自殺も減らせると監督は考えています。「現実的にできることがある」と。

映画では様々な人々へのインタビューを通じて、10の提言が示されます。精神医療や生命保険の問題から、「話に耳を傾ける」ことまで。それらはごく当たり前の事でした。しかし改めて突きつけられると、これは日本人には苦手な問題なのかもしれません。「自決」「切腹」などを美談にしてしまうこともありますから。これはアイルランド出身の監督ならではの視点であると言えるでしょう。

 

伊藤菓子店のかりんとう

最近、お気に入りのお菓子。CDくらいの大きさがあります。

一見、ソース煎餅のようですが、これ、かりんとうです。秋田県五城目町の伊藤菓子店のかりんとう。ソースに見えるのは、黒糖です。生地はまさしくかりんとう。パリッとした食感で食べ応えがあります。味も実に素朴。

秋田県五城目町のお菓子なので、東京では手に入りにくいのが難点です。

問い合わせ先:伊藤菓子店
南秋田郡五城目町田町字石田六ヶ村堰添120-7
tel: 018-852-3419

ガマンの芸術

秋色。上野にある東京藝術大学の大学美術館です。ここで尊厳の藝術展―The Art of Gaman―が開かれています。

今から70年前。第2次対戦の最中、アメリカで普通に暮らしていた多くの日系人が強制収容所に送られました。今まで築いたきた生活を手放さざるをえず、手荷物だけで、砂漠の荒れ地で自給自足に近い生活を強いられたのです。名前ではなく番号で呼ばれ、粗末なベッドだけのプライバシーのない集団生活。床板は隙間だらけで、砂嵐が来ると、そこから砂が室内に吹き込みます。隙間から入ってくるのは砂だけではありません。時にはサソリもそこから入ってきたとか。想像以上の過酷な状況は3年以上も続くことになります。

しかし、そこで生きていかなければいけません。

その為に家具など生活に必要なものを手作りしました。端材でできた無骨だけれど温かみのあるイス。ツルツルに磨かれた石などを装飾に使った引き出しなど。それらを産み出す道具も時には作っていたようです。手作り故、使ったらきっと指が痛いだろうというようなハサミも展示されていました。

見事だったのは、生活を彩ったものたち。木の根や古い歯ブラシ張り具合を動物に見立てた置物は、鳥のブローチもカラフルでキレイ。木片を削って磨いて作ったそうです。でも足の細さは木では表現できないので、思いついたのが、窓に嵌められた網戸の端の部分の針金でした。地面を掘って出てきた貝殻を集めて作られたブローチも素晴らしい。

他にもたくさんの驚きがある展覧会でした。そしてこれらを産み出した人々の精神力に感動させられます。2年前にアメリカで”ガマンの芸術”として紹介されたのが基となった今回の展覧会。来月12月9日までの開催で、その後福島、仙台、沖縄、広島と巡回します。なお入場は無料です。

第33回作品展

九段生涯学習館で文化芸術の秋フェスティバルの作品展が開かれました。陶芸、書道、フラワーアレンジメントなどの展示もありました。

私の所属している「スケッチブック18」でも全員が出品しました。

さて、来年の2月下旬ですが、九段生涯学習館にて「サークル体験週間」があります。普段の活動の様子やサークルの雰囲気も見られるのですが、「スケッチブック18」も参加し若干のメンバー募集も予定しています。詳しくは2月5日の「広報千代田」に掲載されます。決まりましたら、改めてお知らせします。

 

 

古本「落語家の歴史」

賑わってましたね、古本まつり。

足を運ぶ度に思うのが、普段は絶対目にすることの無い本がこんなにもあるんだという事ですね。古本は前に読んだ方がいますから、その痕跡も残っていたりすると、どこの誰かは分からない前所有者に親近感的な妙な感情が起きたりすることもあります。

今年手に入れたうちの1冊「落語家の歴史」。6代目柳亭燕路さんが昭和47年に書かれたものです。”歴史”というだけあって、冒頭の系図が圧巻です。江戸時代から明治あたりまでの弟子関係がまとめられています。明治以降、特に圓朝以降は色々な方がまとめたものがたくさんあるので、「口を挟む余地はない・・・」と、前書きにあります。

資料の乏しい江戸時代に活躍した落語家さんたちの系図ですが、今でも活躍している落語家さんの名前もちらほらあります。約200年も受け継がれてきているのですね。これら系図にある人について、ひと言ずつコメントが載っていますので、纏めたのは大変な労力だったことでしょう。

本の内容もさることながら、裏表紙にはサインと6代目のブロマイド(?)が挟んでありました。

サインの脇には、お名前にちなんで、柳の枝と燕が書き込んであって・・・

この書といい、本の内容といい、几帳面な方だったのではないでしょうか。などと、勝手に思い巡らせて手に入れた次第です。

今は7代目の柳亭燕路さんが活躍されています。

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

リヒテンシュタイン。随分前に見たテレビ番組「水曜どうでしょう」のヨーロッパ編でドイツやスイスと近かったような、森林が広がっていた記憶があるだけでした。瀬戸内海の小豆島ほどの広さの国です。ハプスブルク家の家臣だったカール一世の美術コレクションが認められて世襲侯爵に処せられたのが、徳川家康の時代です。その後、神聖ローマ帝国から独立し、紆余曲折を経て現代にまでコレクションが引き継がれています。世界屈指のコレクションの一部が六本木の国立新美術館にやってきました。

「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展。「ようこそわが宮殿へ」とまるでこの絵の子が言っているようですが、この子は言ってません。ともあれ、華麗なるコレクションです。特に「バロックサロン」これは豪華です。
バロックサロン
展示室をまるごと、宮殿の一部屋として再現しています。家具や彫刻、工芸品を並べ、タペストリーで壁を覆い、天井にも天井画を配しているのです。作品には番号だけが振られていますので、手前に置いてあるリーフレットをお持ちになった方がよいでしょう。
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このバロックサロンは入口から間もなくの展示なのですが、これはあくまで目玉の一つです。
その先の名画ギャラリーには、ルーベンスの作品がずらり。その中の一点。ルーベンスの娘、クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像です。この子は女の子だったのですねぇ。

Highlight2 photo01

これは5歳ごろだそうで、ルーベンスは他に4点、クララを描いたそうです。この愛する娘はなんと12歳でこの世を去ってしまいました。

1点ラファエロも来ていました。ラファエロは来春の国立西洋美術館が楽しみです。
他にも、今年見た展覧会で印象に残った画家の別の作品に出会えました。エルミタージュ美術館展で「自画像」が美女過ぎると感じたエリザベト・ルイーズ・ルブラン
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の、リヒテンシュタイン侯爵夫人の肖像画「虹の女神イリス」という作品。

Highlight1 photo05本当に美しい女神。描かれ本人もさぞかし満足されたと思いきや、一族からこの絵にクレームが。曰く「素足とは怪しからん!」と。
そこで夫の侯爵は絵を飾った床に靴を揃えておいて、「靴を脱いで、宙を舞っているのです」とユーモアで返したのだとか。

ベルリン国立美術館展で、私はフェルメールよりも長く立ちすくんでしまった静物画、「果物、花、ワイングラスのある静物」を描いたヤン・ダヴィッドゾーン・デ・ヘームの静物画もありました。

描いたものの存在感が際立っていて、手に取れそうと思ってしまいます。

マウリッツハイス美術館展で小さな作品ながら妙に印象づけられた「笑う少年」

を描いたフランス・ハルスの「男の肖像」

やはり笑みが浮かんでいます。こちらもつられて笑ってしまいそうです。ちなみにフランス・ハルスはオランダの方です。

絵画ばかりではありません。「クンストカンマー」(アートルーム)に展示された工芸品の見事なこと。特にこの「牡鹿に乗るディアナ」はユニークです。

実はこれ、ぜんまい仕掛けの酒器なのです。鹿の首を外して中にお酒を入れて、ぜんまいで動かし、止まった前の人がその中身のお酒を飲むという、お遊びのものです。1610年頃の作品ながら今も動くのです!組み上げて動かしているムービーがそばに置かれたiPadで再生されていました。

まだまだ気になった作品はたくさんありましたが、それは会場に足を運んでご覧下さい。

さて、今回の音声ガイドは大地真央さん。解説はもとより、登場人物の侯爵やプリンセスなど、男女それぞれを演じ分けていらっしゃるのは、さすが宝塚出身だと楽しく聴けました。

大変見応えのある展覧会です。お天気がはっきりしなかったせいなのか、比較的ゆったり見られて楽しめました。ただし、見終えるとナイフやフォークが並んだ食事をしたくなるかもしれません(^^;