英国の夢 ラファエル前派展

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて「ラファエル前派展」が開催されています。ラファエル前派展は、2年前に六本木の森アーツセンターギャラリーでも開かれました。そちらはロンドンのテート所蔵のものでしたが、今回はリバプール国立美術館蔵の絵画65点で、作品のダブりはありません。リバプールと言えば、ビートルズ。とりあえず見ておこうかと足を運んで観ました。

最初に迎えてくれるのがミレイの作品群。ミレイの描く女性は魅力的だなと改めて認識しました。「巣」「良い決心」も好きですが、中でも「ブラック・ブランズウィッカーズの兵士」の描写力には圧倒されます。二人の衣装、女性のドレス、男性の制服・靴は、写真を超えてます。質感が凄かったです。光を的確に捉えているのでしょう。輝いています。pic8

次に目を引いたのが、ローレンス・アルマ=タデマという、前回の前派展に作品が無かった方です。下は「お気に入りの詩人」です。

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実に緻密に描かれていまして引き込まれます。室内と窓の外の大理石の白さの違い。海の青が眩しく。後ろ側の女性のほほがドキドキするほどキレイでした。

この人の「美しさの盛りに」という小さな水彩作品も気に入りました。

この他、前回無かった作家さんで、フレデリック・レイトン、チャールズ・エドワード・ペルジーニ、エドワード・ジョン・ポインターにも素晴らしい作品がありました。もう一人、ウィリアム・ヘンリー・ハントの実に写実的な作品「卵のあるツグミの巣とプリムラの籠」を紹介します。

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小さいサイズの作品です。特にツグミの巣は、実に丁寧に描かれていました。筆先で色を置いたのかな、根気がいったことでしょう。江戸末期頃に描かれた作品だそうですが、現代の写実作品を収めるホキ美術館に並んでいたとしても違和感なさそうです。

今回の展覧会は点数はさほどでもありませんが、見応えのある作品が多くありました。空いていたので、作品を間近でじっくり見られました。しかも金・土曜は夜9時までというのも有り難い。3月6日までです。

英国の夢 ラファエル前派展
開催期間:2016/3/6まで *1/25(月)休館
開館時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム

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