エミール・クラウスとベルギーの印象派

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東京駅丸ノ内北口です。南口に比べて人の流れは少なく感じます。ここには、東京ステーションギャラリーという美術館があります。「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展が開かれていました。美術展に出かけるのは好きですが、本当に有名な画家さん以外は名前もうろ覚えです。ましてやベルギーの印象派と言われても?でしたが、チラシで見たこの絵に引かれました。

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エミール・クラウスの「昼休み」という作品です。光溢れる昼下がりを写実的に切り取って実に見事でした。ところでエミール・クラウスって誰?と思われる方は多いかと思います。1・2点なら何度か日本にやってきているそうなのですが、今回のようにエミール・クラウスを大々的に取り上げる展覧会は日本で初めてだそうです。率直に「何故今まで知られていなかったのだろう?」と思う、素晴らしい絵画の数々でした。印象派好きなら必見。少しでも引っかかるなら見ておいた方がよいと思います。

意外だったのが、クラウスには、日本人の教え子がいたことです。倉敷の大原美術館設立に大いに係わった児島虎次郎(日本にエル・グレコの作品があるのは、彼のお陰です!)と太田喜二郎です。ただ残念なことに、日本では印象派はそれほど消化されなかったようです。この辺りがクラウスがそれほど取り上げてこられなかった理由なのでしょう。逆に言いますと、よくぞ今回の展覧会を企画したものです。

最後に会場のステーションギャラリーですが、独特の空間です。ドームなので壁が曲面というハンデはありますが、開業当初の赤煉瓦や工夫された照明など、駅構内という事を忘れ落ち着いて鑑賞できます。この秋の企画、植田正治も見に来たいです。彼のモノクローム写真、この空間に映えるでしょう。

 

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