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特別展「書聖 王羲之」

「書聖」という言葉を初めて知りました。王羲之(おうぎし)は、書を芸術にした男だそうです。確かに、字の上手い方にはあこがれますね。中国唐の時代の太宗皇帝が、殊の外、王羲之の書を愛したそうで、中でも最高傑作の蘭亭序は、所有者が拒んだため、盗み出してまで手に入れたといいます。折角集められた王羲之の書ですが、皇帝死去後に、棺に入れられたり、争乱で焼かれてしまったりと、直筆のものは残っていないそうです。

ただ、太宗皇帝は書を集めただけで無く、その複製を造りました。方法としては、原本の上に紙を置いて、細い筆で字形をなぞった摸本(もほん)と、原本を手本にして書いた臨本(りんぽん)というやり方があり、当然、摸本の方が手間と時間が掛かります。よって残存しているものもそれほど多くはないそうです。ただ、日本には、遣唐使船で王羲之の摸本や臨本がもたらされていたようで、それらは大切に受け継がれたのでしょう。今回の展覧会の目玉である世界初公開「王羲之尺牘 大報帖(おうぎしせきとく たいほうじょう)」は、日本で発見されました。

たった3行24文字ですが、大変貴重なのだそうです。

その他の展示で私が面白く感じたのは、まずそれぞれの書に沢山の印鑑が押されていることです。

真ん中の2行が王羲之の書(写)で、右の1行や左の数行は、清の皇帝が書き加えたものだそうです。周り押された印鑑はこの作品を見たものの印なんだそうです。貴重な作品になんて事をするんだと思ってしまいますけれど。

また「蘭亭図巻」も面白かったです。川の上流から杯を流し、飲んで一首詠むといういわゆる曲水の宴の様子を描いたものです。永和9年(西暦353年)に蘭亭で開かれたこの宴を蘭亭序としてまとめたのが主催者の王羲之です。これが、太宗皇帝が摸本を造って広がり、明の時代にその蘭亭序を元に、絵巻物のようにまとめられた作品です。ちなみに、王羲之さんは、右から2番目です。

蘭亭図鑑の元になった「蘭亭序」のコピーはアナログ方式ですので、多種多様な蘭亭序ができました。そのうちの5作品が並べて展示されていて、比較できるようになっていました。どの作品も始まりが永和九年なのでそこだけは読めます。それぞれ雰囲気は似た感じですが、当然のごとく違いは多くあります。

最初に王羲之の直筆は残っていないと申し上げました。ですから今はおろか、もしかしたらこの1000年、世界の誰も彼の本当の書を見たことが無いかもしれません。しかしながら、このようにコピーにコピーを重ねて受け継いできた歴史があるからこそ書聖と呼ばれているのでしょう。

書に対する知識を持ち合わせずに今回行ってみましたが、思いの外、奥深さを感じとる事ができ楽しく拝見できました。

 

アウトロー

懐かしい感じのアクション&少しのサスペンス映画でした。トム・クルーズの最新作「アウトロー」。ほど良い感じにハラハラドキドキさせてくれます。

トム・クルーズのアクションと言えば、「ミッション・インポッシブル」シリーズですね。華麗・派手なイーサン・ハントに比して今回のジャック・リーチャーは質実・剛健ですかね。ヒロインの弁護士さんは男受けの良さそうな感じでしたが、映画ではラブシーンは全く無し。キャラがぶれなくて良かったと思います。

難を言えば、悪役のキャラの薄さでしょうか。もう少し気骨が欲しかったかな。それと、登場人物それぞれのバックボーンの描写があればより楽しめたかも。見終わった後、小さなハテナマークがかなり浮かびました。その中で一番大きなハテナは、この映画が「アウトロー」というタイトル?でした。ツッコミ所は結構ありますが、何とか纏めきったと言ったところでしょう。どちらかと言えば渋めなストーリーなので、トム・クルーズと年齢が近い方が楽しめるかも。時間があればどうぞ。

★★★☆

千葉マリンマラソン

千葉市で10キロほど走ってきました。この日は快晴でした。実にランニング日和。

スタートはブロックに分けられ、6番目のブロックでスタートを待ちます。すると「おそらくスタートしたと思われます」と近くにいた係員がアナウンス。ややあって、ようやく歩き始めます。スタート地点はずっと先の方です。

歩いたり止まったりとしながら約3分、ようやくスタート地点が見えてきました。

なんとか小走りが出来る程度に前が開き始めました。すると、すぐ前方に人だかりが。

「みなさん、がんばって〜」と声をかけているのは高橋尚子さん(^^)

コースは海沿いだけに平坦で走りやすく飛ばしたくなるところですが、混み合っているので、前の人のペースに合わせて接触に気を付けながらのランニングが続きました。もう少しコース巾を取るか、追い越し車線的なものを作るとかがあれば良かったかも。

マリンスタジアムの中がゴール地点。

マリンスタジアムの人工芝の感触は良いですね。スタジアムの客席が解放されていて多くの方が観戦していたのと、ゴール付近がバックスクリーンに映し出されていて最後まで気分良く走れました 🙂

北井一夫 いつか見た風景

地下鉄「日比谷線」の車内広告に惹かれ、恵比寿ガーデンプレイス内の東京都写真美術館で開催中の、写真家北井一夫氏の個展 「いつか見た風景」を見てきました。

普段は意識して写真を見ることもないので、どういった方なのか全く予備知識ももたずの状態で拝見しました。初期の作品「バリケード」や「三里塚」では、当事者の視点が色濃く出ていました。闘う者の怒りや悲しみ、刹那的なものですね。

それが、失われていく日本の農村の原風景を捉えた作品「村へ」以降、穏やかな訪問者の視点が加わって、その後、大阪ミナミの「新世界物語」「いつか見た風景」「フナバシストーリー」などでは、当事者に向けられた優しげな眼差しになって、音までも聞こえてきそうな生活感溢れる写真を撮っています。

展覧会の最後にある「道」というシリーズの1枚

ここは福島県相馬市だそうです。あの大震災後に撮られた作品です。「村へ」や「いつか見た風景」で訪れた場所は、荒涼とした風景になりはてていました。ただ、東山魁夷の代表作と似た構図のせいか、私はこの道の続く先に希望も感じます。その絵画と違って、希望への道はちょっと遠く感じますが。

気になる方は是非。見終えた後、ガーデンプレイス地下1階、ヱビスビールのオイスターバーに立ち寄るなんていうのも良いのでは(^^)

森と湖の国 フィンランド・デザイン

六本木、東京ミッドタウンのサントリー美術館にて開催中の「森と湖の国 フィンランド・デザイン」に行ってきました。展示の中心はほぼ現代のガラス作品群です。

会場入口では、まるでオーロラのような幻想的な映像作品が迎えてくれましたが・・・。

展示の中心はこのような日常的なガラスのもの。展覧会のサブタイトル「時代を超える生活の美」とはまさにこの事です。展示物の説明に「イッタラ」と入っているものも多く、ミッドタウン周辺の雑貨屋さんに置いてありそうなものも並んでいました。デザイン自体は50年以上前なのですが、未だに製造販売されている息の長い製品も多いようです。日本で言えば、「柳宗理さん」と言ったところでしょう。

一方、デザインを追求した作品展示もありました。

ガラスの透明性を活かして影までも幾何学模様になっている作品もあって楽しめました。無機質なガラスに温もりを感じさせるのはデザイン力と言えるでしょう。ただ、入場料はちょっと高めに感じてしまいました。場所代が入っているのかもしれませんね(^^;

 

明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。

今年こそ良い方向に向かって欲しいですね。

年越しを迎えた神田明神さん。寒い中、参拝の列は、秋葉原方面へ坂を下って続いていました。

メトロポリタン美術館展

上野近辺のあちこちにこの「糸杉」のペナントが下がっていますね。 東京都美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」の超目玉がこのゴッホの「糸杉」。目の当たりにすると、さすがの迫力でした。私の一番印象に残った作品は、ベネチアを描いたターナーの作品です。 巨匠たちの英国水彩画展でターナーの水彩を堪能しましたからね。こちらは油彩。空の青、水の青。もう見事です。

今回の展覧会では、絵画ばかりではありません。サブタイトルが「大地、海、空4000年の美への旅」です。実にバラエティに富んだ作品群です。 こちらはティファニーのステンドグラス。

杉本博司さんの写真「海景」手前のさざ波など実にくっきりと捉えていながら、どこか夢の中の風景のように感じてしまいます。

現代の写真がある一方、こんなものも。出来損ないのカエルの置物に見えますが、実はこれ、なんと4000年前のメソポタミアで分銅として使われていたものだそうです。つまりおもりですね。「肉を”1カエル”下さい」などと、やっていたのかも 🙂

さて絵画に戻しますが、点数は少ないものの、ゴッホ2点のほか、レンブラント、セザンヌ、ルノワール、モネ、ゴーギャン、アンリ・ルソーなど豪華なラインナップです。個人的には、アメリカ人の絵画をもう少し見たかったなと思いました。多少物足りなさを感じてしまいました。そもそもテーマが広すぎたのかもしれません。「4000年の大地・海・空」と言ったら、美術作品の殆どをカバーできそうですねぇ。テーマをもう少し絞ってもまだまだメトロポリタン美術館には作品があるでしょうから。

比較的空いていて見やすかったです。会期が来年の1月4日までですので、お時間が取れそうな方はどうぞ。